電池・電解液

課題

電解液は、バッテリー性能を左右する重要な要素です。
イオンを高速に輸送しながら、数千サイクルにわたる安定性を維持し、さらに高温・低温・高電圧といった実環境ストレスにも耐えなければなりません。導電率を高めれば安定性を損なうリスクがあり、安定性を優先すれば性能が低下する可能性がある――そのバランスが常に課題となります。

電解液配合を一つずつスクリーニングする従来手法は、時間も材料も多く消費し、実環境での性能を十分に予測できないことも少なくありません。手作業による調製やサイクル試験には数か月を要し、多くの「有望候補」が実使用条件で失敗します。より安全で、長寿命かつ高容量なバッテリーへの需要が高まる中、手動アプローチでは限界があります。ハイスループット技術はスピードを向上させますが、真の進展には、単に“速く作業する”のではなく、“速く学習できる”自動化が求められています。

ソリューション

Stuntmanは、内蔵AIとモジュール型ハードウェアを組み合わせ、バッテリーおよび電解液の製剤開発ニーズに柔軟に対応します。
自然言語による指示を実行可能なスクリプトへと変換し、開始から完了まで閉ループ自動化を統合的に制御します。StuntmanのAIは、実験の計画・整理、結果の解釈、次のアクションの提案までをサポート。設計、実行、解析を一つのプラットフォーム上で完結できます。AIによるワークフロー生成、直感的なドラッグ&ドロップ操作、あるいはフルAPIアクセス対応のPython制御まで、用途に応じて自在に選択可能です。すべての工程はリアルタイムで追跡され、各データポイントは取得と同時に記録されます。

デッキは目的に合わせて構成でき、配合調製、混合、スクリーニングを自動化。迅速に高品質なデータを取得できます。
数百の電解液配合を評価し、実環境に近い熱的・電気化学的条件下で試験し、分析装置と直接連携することも可能です。ベンチワークに数週間かかっていた作業を、再現性の高い高品質データとして数日に短縮します。

性能

粉体分注

電解液や電極材料の開発では、塩類、導電性カーボン、そのほか扱いの難しい粉体をいかに正確に扱えるかが成果を左右します。StuntmanのSVホッパーおよびClassicホッパーなら、その煩雑な工程もスムーズに処理できます。流動性の高い粉体から、付着性のある塊状固体まで幅広く対応可能です。1台のStuntmanデッキにClassicホッパーとSVホッパーを自由に組み合わせて搭載可能。適応型アルゴリズムが各粉体の流動特性を学習し、サブミリグラムからグラムスケールまで高精度に分注します。

Classicホッパーは10、25、50、100 mLの容量を用意。同一粉体を複数ウェルへ分注する“1対多”の用途に最適です。多数の異なる粉体を扱うスクリーニングには、Storage Vial(SV)ホッパーが有効です。標準的な4 mLガラスバイアルとディスポーザブルヘッドを使用し、デッキ上に数十本を搭載可能。さらに多くをデッキ外で保管できます。コンパクトで柔軟性が高く、完全なトレーサビリティを確保しながら、複数の実験ランで繰り返し使用できます。

液体・高粘度・スラリー分注

電解液の配合では、揮発性溶媒から高粘度ゲル、密度の高いスラリーまで、さまざまな液体を扱う必要があります。Stuntmanは、そのすべてに対応できる設計です。溶媒はデッキ上またはデッキ外の供給源から吸引可能で、数マイクロリットルから数百ミリリットルまで幅広い容量レンジに対応。ピアシングチップにより、揮発性または吸湿性の高い溶媒も移送中に密封状態を維持し、蒸発や水分混入を防ぎます。各液体は個別に精密キャリブレーションが可能。不確実性を排除し、すべての分注で設定どおりの正確な容量を確実に実現します。

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ポジティブディスプレースメントチップ(PDT)は、10 µLから10 mLまでの幅広い容量レンジをカバー。ポリマー電解質、ゲル、流動性の低い添加剤など、高粘度材料の分注に最適です。固体や導電性粒子を多く含むスラリーには、ワイドボアニードルを使用。詰まりのないスムーズな分注を実現します。液だれなし、気泡混入なし、材料ロスなし。常にクリーンで一貫性のある分注により、電解液および電極配合の再現性を確保します。

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混合・温度制御

均一で再現性の高い混合は、電解液やスラリー性能の安定化に不可欠です。Stuntmanなら、あらゆる材料に対して最適な混合条件を細かく設定できます。デリケートな溶液から高粘度のブレンドまで、材料特性に合わせた混合方式を選択可能。

Vortex Stationでのオービタルシェーキングや、Heated Stir Bayでの磁気攪拌により、標準的な電解液や溶液を均一に保ちます。高粘度系には、カスタマイズ可能なパドルを備えたオーバーヘッドミキサーを使用。ポリマーゲルやバインダー含有量の多いスラリーにも対応します。さらに、分散が難しい系にはホモジナイザーやソニケーターを活用し、凝集体を効果的に解砕。微細で均一な分散状態を実現します。最も扱いの難しい材料には、FlackTek SpeedMixerやLabRAMアコースティックミキサーとの統合にも対応。材料や課題を問わず、Stuntmanはすべてのサンプルを均一かつ再現性高く混合し、次工程へ確実につなげます。

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Overhead mixer

混合は、室温から最大180℃までの温度制御に対応し、オプションで0℃未満のアクティブ冷却も可能です。回転速度や混合時間はすべてプログラム設定可能。せん断条件や混合プロファイルを材料特性に合わせて細かく最適化できます。

電気化学特性評価・アナリティクス

Stuntmanは、バッテリーおよび電解液開発に不可欠な分析機能をデッキ上に統合します。インライン導電率プローブおよびpHプローブにより、配合プロセス中のイオン強度や安定性をリアルタイムでモニタリング。さらに、自動pH調整機能により、条件の微調整も迅速かつ正確に行えます。

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SS pH probes

さらに深い解析が必要な場合も、Stuntmanはサードパーティー製ツールとシームレスに接続可能です。ポテンショスタット、ラマン、XRD、UV-Visなど、用途に応じた分析装置と連携できます。これにより、電解液や電極サンプルをデッキ上から移動させることなく、分析・特性評価・データ解釈まで一貫して実施可能です。

デッキ上での目視検査やカメラ撮像による迅速な溶解性チェックにより、溶解しているもの、沈降しているもの、検討対象外とすべきものを即座に見極められます。より詳細な評価が必要な場合は、可変温度EISにより、25℃から100℃の範囲でインピーダンスおよび導電率を測定。自動化されたツイストロックアセンブリが一貫した電極接触を保証し、再現性の高いデータ取得を実現します。さらに、プロフィロメトリーやレーザー変位センサーにより、膜厚や膜の均一性を測定。配合条件やプロセス条件と電気化学特性を直接結び付けて解析できます。

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EIS

さらに深い解析が必要な場合も、Stuntmanはサードパーティー製ツールとシームレスに接続可能です。ポテンショスタット、ラマン、XRD、UV-Visなど、用途に応じた分析装置と連携できます。これにより、電解液や電極サンプルをデッキ上から移動させることなく、分析・特性評価・データ解釈まで一貫して実施可能です。

インテグレーション

Stuntmanなら、ワークフローの可能性を柔軟に広げられます。内蔵AIやPython APIを活用し、自社の分析装置、データ管理システム、さらにはAI・機械学習プラットフォームとも連携可能です。必要に応じたモジュールを追加したり、サードパーティー製システムと接続したりと、構成は自在。ワークフローの進化に合わせて、継続的に拡張できます。

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Stuntman

Stuntmanは、自然言語対応のAIをシステムに直接組み込み、より高度な実験計画・設計を支援します。フィードバックループを迅速に回し、条件の変化にも柔軟に適応。一方で、ハードウェアはあらかじめワークフローに合わせて構成可能です。その結果、反復スピードは向上し、得られるデータはより有益に。化学、バイオ医薬、材料研究など、あらゆる分野において、サイエンスの進展と歩調を合わせる自動化を実現します。

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すべてのラボには、それぞれ異なるボトルネックや課題があります。私たちはお客様とパートナーとして向き合い、より速く、より良いサイエンスを実現するための最適なソリューションを共に構築します。ご質問はありますか?あるいは、専門チームと直接話して可能性を探りたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。