安定性&製剤スクリーニング
課題
品質の悪いタンパク質はアンフォールディングし、凝集し、すべてを台無しにしてしまいます。そのため、適切なタンパク質の構造が大事です。また、製剤処方もとても重要です。最良のタンパク質と処方をスクリーニングするには、最良の候補を選出するためのあらゆるデータが必要です。
従来の手法でタンパク質の安定性を調べる際は大量のサンプルと時間を必要とし、得られたデータが不十分であることも多々あります。様々な条件でタンパク質の安定性が損なわれているかをモニターするためには、アンフォールディングと凝集を同じサンプルで同時に測定する必要があります。また、早期の段階で候補を絞ることができれば良いに越したことはないので、微量のサンプルで済ませられることは何よりのメリットとなります。
ソリューション
Uncleはオールインワンの製剤スクリーニングおよび安定性プラットフォームとして、12種類以上のアプリケーションを搭載しており、わずか9µLのサンプルでタンパク質の安定性を迅速にアッセイすることができます。蛍光、静的光散乱(SLS)、動的光散乱(DLS)モードはすべて同じサンプルで読み取り、サーマルランプ実験または恒温器中の熱融解、凝集、サイジングについて確かなな洞察を得ることができます。
タンパク質安定性アッセイから全体像を得るには、SLSと蛍光を組み合わせる必要があります。蛍光によってアンフォールディングを観察し、SLSによってタンパク質の分子量が変化した瞬間をとらえて凝集を発見することができます。Uncleは一度に最大48サンプルを測定し、2時間以内に結果を得ることができるため、より多くの候補化合物、製剤処方、条件をスクリーニングして、最も安定性の高い化合物を迅速に見つけ出すことができます。
実証データ
Uncleで安定性の問題を特定する方法
UncleでのDSF実験は、まずDLSを使ってサイズと粒度分布を調べ、タンパク質が問題ないか、あるいはすでに凝集がないかを知ることから始まります。次に、サンプルを加熱して、蛍光がタンパク質のアンフォールディングを検出し、融解温度(Tm)を表示します。SLSで、凝集がいつ始まるかを凝集温度(Tagg)として示し、それがTm1やTm2と同時に起こることもあれば、Tmとは無関係に起こることもあります。SLS強度は分子量に関係するため、凝集に非常に敏感であり、凝集がいつ始まるかを把握する最良の方法です。サーマルランプが最大温度まで上昇した後、DLSでもう一度凝集がどの程度悪化したかを定量分析することができます。
安定性試験を加速する
サーマルランプは約2時間でサンプルの特性評価とランク付けを完成することができますが、安定性を完全に詳細に調べるには、一定の高温でより長いインキュベーションが必要です。Uncleは、数時間から数日にわたるタンパク質の挙動をUncleの中で監視するためにオーダーメイドされた一連のアプリで、候補化合物選択の早い段階で等温データを得ることができます。サンプルをUncleのキュベットにロードしてインキュベーターに保管すれば、あとでUncleに戻して1日に1回でも1週間に1回でもデータを読むことができます。
Uncleの等温アプリケーションを利用して、タンパク質の蛍光やSYPRO Orangeのようなレポーター色素からのシグナルに焦点を合わせることもできます。この機能は蛍光のない非蛍光タンパク質や製剤の研究に役立ちます。SLSとDLSは等温試験を通して凝集をチャート化し、すべての安定性パラメーターを常に把握することができます。他に類を見ない等温アプリケーションを備えたUncleは、安定性プラットフォームとして加速等温保存試験を早期に少量で実施することができます。
挙動変化を繊細にキャッチ
製剤スクリーニングに強いUncleは、タンパク質、製剤、その他安定性に影響を与えるあらゆるものを比較することができます。単純なアミノ酸の変異やバッファーの変更で融解温度の増減やアンフォールディング挙動の変化が起こることがあり、タンパク質の融解温度は2つから3つになることもあります。同様に、糖、塩、界面活性剤、pHシフト、あるいは凍結融解サイクルなどでタンパク質の変化が発生したりします。
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