アデノウイルス力価&Empty/Full比率

課題

アデノウイルス(AdV)ベクターは非常に汎用性が高く、多くの遺伝子治療や開発中のワクチンに使用されています。アデノウイルスを作製する場合やアデノウイルスをとり扱う場合は、キャプシドの力価、Empty/Full比率、凝集の有無を知ることはとても重要です。超遠心分離やクロマトグラフィーの後、AdVサンプルやフラクションの力価、Empty/Full比率、純度は、次のステップ迅速に決定するための助けとなります。

波長260 nmでのUV/Vis吸光度(A260)測定は、AdVの力価を素早くチェックするための最速の分析法と思われがちですが、AdVを変性させる必要があるため、アッセイにかかる時間は30分にもなります。その上、A260の結果は、タンパク質やDNAのコンタミネーション、その他吸収される物質によって真の値でない可能性もあります。他の手法も存在しますが、いずれも時間や手間がかかったり、サンプルを大量に必要とするため、サンプルを素早く簡単にチェックすることができません。

ソリューション

Stunnerは、AdV力価、Empty/Full比率、凝集をわずか2 µLのサンプル量で、約1分で測定することができるプラットフォームです。Stunnerは高速UV/Vis分光法静的動的光散乱(SLS & DLS)を組み合わせ、わずか1時間で109 vp/mLまでの力価を測定し、最大96サンプルのサイズと凝集をチェックします。StunnerのAdeno Quantアプリケーションは、あらゆるAdV血清型または遺伝子のインサートに対して、色素フリー、ラベルフリー、スタンダードフリー、手間いらずの定量を実現します。

実証データ

StunnerのAdeno Quantアプリケーションは、サンプルを変性させることなく、アデノウイルスベクターをそのまま測定することができます。高性能なUnmixアルゴリズムは、アデノウイルスサンプルからのUV/Vis吸光度の合計を分析し、それをキャプシドタンパクとDNAに分け、実際にどれだけのタンパク質とDNAが存在するかを読み取ります。

DLSは同時に測定され、アデノウイルスキャプシドのサイズのピークを小さな粒子や凝集体の隣に示します。DLSの中、SLS強度が捕捉され、アデノウイルスキャプシド力価の最良の指標となるキャプシドピークが得られます。

DLS & SLS Graph with labels_small
UV_Vis Graph 2_small

UV/VisとDLSおよびSLSの結果を組み合わせることで、Stunnerは、コンタミネーションに強い全キャプシド力価およびフルキャプシド力価を、わずか2 µLのサンプルから迅速かつ簡単に得ることができます。

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Stunner Front cc_crop_downsize

Stunner

Stunnerは、UV/Vis濃度、動的光散乱(DLS)静的光散乱(SLS)データを同じ2 μLサンプルから取得できる唯一のシステムです。AAVおよびアデノウイルスベクター(AdV)を掘り下げて、総キャプシド力価およびEmpty/Full比率を取得したり、あらゆるナノ粒子のペイロード濃度およびサイズデータを一度に収集することができます。濃度、流体力学的サイズ、多分散性、凝集体の検出ができるので、サンプルの品質を正確に把握できます。

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Stunnerがどのように色素フリー、スタンダードフリー、手間いらずでAAV力価およびEmpty/Full比率を提供するか、さらに詳しく知りたいですか?